2017年12月16日土曜日

覗き見の芸術


今回も素晴らしかった、Scope展。
小さな箱に広がる夢幻の世界と変化。
ああ、色々渦巻く!

Scope×Scope

一番のお気に入りは、テーブルの上にドクロ、天体球があるやつ。
やはり物語性が強い作品が好きだ。
窓から日が射しているときは、テーブルの禍々しさに気が付かない。
一転して、怪しげな部屋になり、表情をくるっくる変えるのがやはり面白い。
ゴシックな世界。

窓から虹が見える部屋の作品も大好きだ。
殺風景な部屋の中、窓のそばに椅子が一脚ある。
窓を覗けば虹が見える。
一転、夜空になるだけで、雰囲気を変える部屋。
シンプルでありながら、最高に妄想が掻き立てられる。

小道が、お昼から夕方に変わる作品は、他と比べると手を加えていない作品に見えるけど、ただそれだけでもステキだってことに震える。

同じように、緑の小道が紅葉に変わるのも同様。
偏光板とか使ってんのかな? とやっと思った。
ここ数年、年末の個展には欠かさず来ていたのだけれど、そんなこと考えもせずにただうっとりして、ドキドキして、ため息をついて帰ってくるだけだった。

どうやって、ライトを当てる場所を変えるだけで、景色を一転させることが出来るのか、そのギミックを考えようと思ったことがなかったことに気が付いた。
そして、今まで考えなかったことに気が付きもしていなかったことに驚いた。
それだけ、この小さな箱の中に広がる物語に夢中だったのだろう。
そして、数年かけて、このことが当然の行為になってきた。
そうなってはじめて、「他のことを考える余裕」が出たんだろうか? と自己分析。

夢中になると、視野が狭くなるの典型を体感だね。

さて、作品の感想に戻る。
水晶と雪景色が、アメジストになるギミックのやつは、珍しく好みじゃなかった。
清潔な景色が、ちょっと悪魔的になるのは楽しいんだけど、物足りなさを感じる。

そして、この個展の表題作、椅子をラピスで塗装したという印象的な作品。
これの鏡に映っている絵画の出来が、きちがい沙汰。
直接視界に入らない場所にある絵画が計算された角度で、しっかりと鏡に映ってるんだけど、もう本当にお手上げです。
ハラショー。
どうかしてる。

計6作品と、先月も展示されていたTARUHOの作品。
素晴らしかった。
ああ、どうにかなるね、なっちゃうね。

会場をぐるぐる何周もしているので、作家さんがお客さんとお話ししているのが聞こえてしまう。

この中のどれかが、お嬢さんの二十歳の誕生日プレゼントらしい。
だから売り物じゃないらしい。
……なんて贅沢なんだ!
年に3~5個くらいしか新作出していないように見えるが、そのうちの一つは売り物じゃないうえに、二十歳のプレゼント!!
ああ、娘になりたい。
しかも、娘だったらこのセンスを受け継いでるんだよ。
一石二鳥どころじゃない。

と、思いながら鑑賞。
他にも興味深いお話をされていた。

まだ周回を重ねたかったが、後ろ髪引かれながら退散。
紙スコープ、当たりますように!!!!!
紙スコーーーープ!!
今回実物が展示されていたんだけど、のぞき穴レンズがないだけで、すっげぇピントが合わせづらいことがわかった。
そこで、さらに、あの作品たちがどれだけ計算されているか、深く理解する。

お手上げだぜッ!
とか思いながら、画廊を出ると隣のお店に気になるポスター。

この画廊に来たのは、はじめてではない。
しかも、先月も来ているにも関わらず、隣が石川県のアンテナショップであることに初めて気付く。
「金箔ソフトクリーム」のポスターが、スコープで上がっているテンションの高いワタシに語りかける。

「YOU、食べちゃいなよ」

じゃ、食べちゃう。

セレブだね


焙じ茶をチョイス。
焙じ茶ソフトon金箔。

金箔、銀歯にあたるとキーン。


金箔を食べたので、ゴージャス度が増したワタクシ。
銀座の街に負けないゴージャス感。
今ならハイブランドな店にも、突撃できるはずだ。

そんなゴージャスあさくら、ハイブランド店なぞ無視して麻布十番へ。

DUMBOでドーナツ買っちゃった


てへ。
てへ。

いや、ほら、食べたかったのもあるけど、次の予定へのね、アレよ、時間つぶしにちょうどよかったのだよね。
いや、ほんと。

というどうでもいいイイワケを自分にしつつ、牧野達哉氏ご出演の舞台を観に代官山へ。

もういい大人なのに、若い頃からの習慣が抜けない。
当たり前のように渋谷から徒歩で代官山へ向かっている。
歩いて気持ちのいい季節じゃないし、なんなら一日中立ちっぱなしだったんだからさ、電車で行きゃいいのに。
その選択肢が思い浮かばない貧乏性。

ま、近いしね。


はたして、短編ミステリを読んだような気分になる1時間弱の会話劇。
肩の力が抜けた自然体の芝居。
それぞれの見せ場ごとにサプライズがあり、物語の見え方が激変していく。
構成が非常に面白かった。
ミステリ好きな人は、好物なんじゃないでしょうか。

舞台の内容とは関係ないのだけれど、1時間弱という短い時間。
シンプルなセット。
劇場ではない施設。
3000円はけっして高くないし、内容的にも満足。
だけど、物足りなさも感じた。

この物足りなさは、1時間も上演時間がなかった、あっという間に終わったことなんだけど、それ自体は悪いことじゃない。
短い時間の芝居と長い時間の芝居でかかるコストを考えちゃうのがいけないんだ。
でも、考えちゃうよね、劇団運営してると。

色々なことが勉強になるね。

たつやさん、おつかれさま!
ワタシは帰宅してから、パッションフルーツをいただきましたよ。


あー、おいしい。
あー、おいしい!
あーあーあーあーあー。